婚約者を寝取られたお陰で、ワケアリ騎士と意外と楽しく過ごせています
潮海璃月
華乃都
エレーナは友人に婚約者を寝取られ、妊娠したからと婚約破棄を迫られた──ので、ブチ切れて元婚約者に紅茶のカップをぶん投げた。結果、「不貞にキレて浮気相手を殺しかけたヤバイ令嬢」という噂が広まってしまい、不本意な噂が落ち着くまでの間、エレーナは帝都を離れ、亡くなった祖母の屋敷で暮らすことにした。しかし、帝国北部の辺境伯領を訪れたエレーナが祖母の屋敷へ向かうと、そこには辺境伯に仕える騎士・ノルバートの姿が。実はすでに屋敷はノルバートに譲られていたのだった。突然押し掛けてきたエレーナに嫌な顔一つせず、使用人用の離れに移るというノルバート。エレーナはそれを押しとどめるが、「恩人の孫娘に使用人部屋を使わせることなんてできない」と断られてしまう。ならばと、料理が趣味のエレーナが二人分の食事を担うことに。馬鹿にされてきた赤髪を「暖かい恵みの色」だとほめてくれ、元婚約者は見向きもしなかった手料理を「おいしい」と言って食べてくれるノルバート。その率直な姿に、エレーナは温かい気持ちを抱く。こうして始まった“二つ屋根の下”の同居生活に、帝都で暮らしているはずの元婚約者と浮気相手が乱入してきて──!?これは箱入りの貴族令嬢だったエレーナが、自分の力で幸せを見つける物語。